（３） ホーチミン市の民間クリニック 　一方、外国人居住者や観光客が多いとされる南部最大都市ホーチミン市には多くの外国資本による民間医療施設が存在する。本事業では地理的な要因から計画を進めているクリニックとの競合にはならないものの、駐在の外国人やある程度の収入があるベトナム人が、公立医療施設を避け多く利用しているこれらの民間医療施設の状況を調査することで、ビンズン新都市でのクリニック運営の参考とした。基本的にはベトナムの公的医療保険制度は利用できず、民間医療保険によるキャッシュレスもしくは後払いによるサービスの適用を受けることができる。また民間保険に加入していない者は、初診料約70～100USドル程度を支払うことで診察を受けることができる。適用される民間保険については、各 クリニックでの利用が様々であり、ベトナム資本の保険会社が強いクリニック、また外資系保険会社が強いクリニックなど様々である。診療体制はその殆どが複数科による診療を標榜しており、医療機材についても整えられている施設が多いことから、複数科診療所として登録しているものと思われる。