ベトナムの公的保険制度には、社会保険制度と健康保険制度、失業保険制度がある。社会保険制度は、3つの保険、強制社会保険、任意社会保険、強制雇用保険から成り立つ。ベトナムにおいては、健康医療保険と社会保険制度、失業保険制度のぞれぞれの実施について一元化が図られ、統合的にベトナム社会保障(VSS: Vietnam Social Security)が管理運営を担っており、この点は、他の東南アジア諸国や先進諸国には見られない大きな特徴である。また、社会保障制度において、ベトナムが他のアジア各国と違う大きな特徴として、公務員と民間事業者の制度がすでに統合されているという点である。さらに、ベトナムの社会保障制度は、公務員や民間事業者の他に、低所得者や児童など、職業や年齢等の属性によって分類されるグループが多いことも特徴である。社会保険制度のうち、老齢年金は、賦課方式で運用されており、原則として男性60歳以上、女性55歳以上で保険料拠出期間が20年を超える場合に給付対象としている。なお、インフォーマルセクターの高齢者の大半が無年金者のため、経済的支援が必要な場合は、老齢福祉年金を受給している。
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