ベトナム 日本式健診センターの可能性
 今後ベトナムで重要になり得る「予防・早期発見」に基づく医療サービスについて、日本はベトナムよりも先を進んでいる点が多く、必要となる高度な医療機器メーカーも多数存在している。実際に、画像診断装置(超音波検査装置、CT、MRI等)、臨床検査装置(生化学検査、免疫検査等)の各医療機器においても、ベトナムでは一定のシェアを占めており(ESPICOMによれば、’12年の画像診断分野での日本製品の市場シェアは24.5%とトップに位置する)、日本にとっても有望な市場となっている。しかし、近年は欧米勢の進出も著しい上、韓国、中国からの廉価版の流入も相次ぎ、競争環境が厳しくなりつつあり、医療機器単体での差別化が難しくなりつつある。そこで、今後も日本企業が継続的にベトナム市場での優位性を維持していくためにも、医療機器単体でのビジネスではなく、医療サービスやオペレーション、IT、教育、医療制度等も含めた「システム」での展開が必要になると考えられる。その中でも、先述の「健診サービス」は急速にニーズが拡大しつつあり、健診用の高度医療機器だけではなく、医療サービス、オペレーション、も含めた展開が可能であるため、一つの有望な展開モデルになり得ると考えられる。そのため、日系医療プレイヤーの医療機器やサービス、オペレーション、ITシステムを導入した「日本式健診センター」を設立し成功モデルとすることができれば、将来的に日本の医療ビジネスがベトナム全土に拡大できる可能性がある。
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