ブラジルの医療提供体制で特徴的な点は、医薬品の無料処方システムである。SUSを利用して診療を受ける患者は、医薬品リスト(=国家必須医薬品リスト(RENAME)に定められる薬)については無料で処方を受けられる。また、国民薬局(2004年~)というオズワルド・クルス財団が運営管理する組織からも、保健省が認可した103品目の医薬品が全国588か所の国民薬局で販売され、一般市場価格の10%で購入できる。この医薬品供給は、低所得層や比較的開発が進んでいない北部などの国民に対して効果を持っているものの、国内に薬品工場が少なく医薬品の供給を海外輸入に高く依存しているブラジルでは、貿易赤字の大きな要因であり、医薬品の製造を今後どのように行ってゆくのかは国家としての課題である。
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