今回得られたデータをもとにすでに南米でパイロットステディを開始しているエクアドル、チリにおけるデータおよび日本の検診結果との比較検証を行った。(検証データは次表を参照) エクアドル、チリ、日本では自動法システムによる免疫便潜血検査を採用しているのに対しブラジル3施設ではマニュアル法を採用していること、日本、チリでは採便法が2日法であるのに対しブラジル、エクアドルでは1日法であること、さらにブラジル3施設はプログラム開始から日が浅く十分な受診者数に達していないことなどから現時点で単純な比較検討を行うことはできないものと思われる。しかしながらブラジルにおける精密検査受診率は70~100%と高い数字を示しており実施施設の受診者に対する啓蒙活動、宣伝が十分に実施されたことが伺われる。大腸がん発見率も初回検診という条件はあるものの0.55~0.60%と高い確率を示している。さらにサンパウロ大学の発見がん3例には2例の早期がんが含まれており、いずれも十分に救命可能な段階での発見と判断できる。また精密検査受診者の中から発見される大腸がんを評価する適中度も8.30~14.30%を示しており精度の高い検診プログラムが実施されものと思われる。
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