SUSの財源は、連邦政府の社会保障予算と州及び市の保健予算により成り立っている。しかしいずれからも十分な額が支出できないことから、その高い理想にもかかわらず、現実には深刻な財政難により、質・量ともに不足しており、全国的に問題を抱えている。具体的には、財源不足により、医療機関へ支払われる給付額が民間の保健プランの平均額よりも低く設定されており、医療機関としては赤字なるケースもある。多くの病院では、外来・入院患者の抑制をせざるを得ない状態となっている。またそもそも公的医療機関やSUSと契約した病院が少ないことから、結果として適切な時期での医療行為が受けられないなどの問題が全国的に起こっている。今回の実証調査の中でも、内視鏡検査に半年待ちの場合があることが分かった。また、民間医療機関では、SUSによる給付金と実際の診察料との差額分は受診者負担となるため、実際に民間医療機関を利用できるのは、民間保険に加入しているものに限られ、民間の保険への加入が困難な国民は高額な民間医療サービスを受けることができない実態となっている。