1)背景 わが国をはじめとした先進国における現代の歯科医療では、患者の来院時から診断、治療、そして予後をも包括的に管理するサービス体制が求められている。一方、今回の対象国であるインドネシアをはじめとするアジアの多くの地域では、一定レベル以上の均質な診療を保証する歯科技術の継続的かつ体系的取得システムや、それに関連した情報の定期的継続的配信がなされていない。また近年、急速な食の欧米化による生活習慣病が蔓延し、歯科においても、う蝕(むし歯)歯数の増加が大きな問題となっている。これには予防対策を主とした啓発活動を行うとともに、一般歯科医師による初期介入が必要であるが、不十分な状況にある。インドネシアの歯科医師数は23,262人で、人口1,000人あたり0.09人である。換言すると歯科医師1人に対する人口は10,900人であり、日本の1,260人に比較すると著しい歯科医師不足といえる。また数多くの島々と山がちの地勢のため、歯科医療格差はさらに一層大きいことが予想される。さらに卒後臨床研修が適切に行われておらず、指導者の不足、医療機器・機材の量的不足・質的保証の欠如もあり、一般的臨床技術レベルは低いと思われる。
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