ミャンマーにおける白内障関連市場動向と特徴-眼科医の状況
ミャンマーでは、全国で309 人の眼科医が登録されている。うち、トレーニングを修了した眼科医は約200 名であり、一般的には、300 病床以上の地域病院には眼科が設置されている。ミャンマーにおけるトレーニングは、通常2年間であり、国内でトレーニング可能な環境が整備されているのはヤンゴン眼科病院とマンダレー眼科耳鼻科頸部病院の2拠点のみである。このため、多くの眼科医は視力検査や結膜炎等の基礎眼科疾患治療の基本的なスキルのみ有している場合が多い。白内障治療に関しては、水晶体嚢外摘出術(extracapsular cataract extraction:ECCE)までは実施可能である。眼科の中でも専門性(subspecialty)、特に網膜、角膜、眼形成及び小児眼科疾患を扱える医師は極めて少なく、邦人派遣や日本でのトレーニングが強く望まれている。一方で、現在、白内障治療の主流となっている超音波水晶体乳化吸引術用機器(Phaco)を用いた眼内レンズ挿入術である超音波水晶体乳化吸引術(phacoemulsification & aspiration:PEA)が可能な眼科医は都市部に限られている。また、眼科医は同じ機器やレンズを継続して使用する傾向があるために、まずは都市部から日本式白内障治療を習得する機会を提供し、日本式白内障治療に習熟した一定数の専門医が育成された段階で、地方でも手術可能に整備することが必要である。
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