しかしながら、インドでは予防医療という概念は極めて新しく、日本のように定期的に健康診断を受診する習慣はまだ定着していない。インドでは国民皆保険制度が導入されておらず、インド保険規制開発庁(IRDA)によると医療保険の加入率は国民の17%以下であると推定されている。保険加入者は公務員や大手民間企業の従業員などが多く、彼らは無料、あるいは少額の負担で健康診断を受けることができる場合が多いが、そのような場合でも健康診断の受診率は非常に低いと言われている。インドでは製造業等の一部を除いた一般企業では健康診断の受診が義務付けられておらず、あくまで企業の福利厚生の一環として提供されている。バンガロールで訪問したある現地大手企業では、従業員が無料で健康診断を受診できる医療保険制度を導入しているが、今年の受診率は従業員1,000人以上の内のたった20人であったと聞いている。その他企業や医療機関との面談においても同様に、企業における健康診断の受診率は極めて低いことを確認している。医療保険に加入していないその他大半の国民に関しても、自己負担で自ら健康診断を受診する人は少ないことが想定される。
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