(1)土地制度とインフラ 中国においては土地の所有権は制限されており土地を私有することができない点が日本と大きく異なる。中国の現行憲法により都市部の土地は国家が所有する。すなわち、国家が国有土地の所有者として、ある一定の使用年限の土地使用権を使用者に渡す「土地使用権出譲」制度により、使用者は渡された使用権に対して「土地使用権出譲金」を国家に支払う。土地の使用年限については国家と使用者との間で契約交渉によって決めるが、最長使用年限は法律によって用途別に決められている。例えば、住宅用途なら最長70年、教育・科学技術・文化・医療・スポーツ用地なら50年、商業・旅行・娯楽用地なら40年とされている。具体的な使用権譲渡方法としては、現在「協議」、「入札」、「競売」という3種類の方法がある。販売或いは賃貸前提の使用なら、基本的に後者の「入札」と「競売」になる。なお、土地利用は、都市計画に相当する控制性詳細計画(容積率、建蔽率、高さ、緑化率等の規制)に基づいている。敷地内に集中緑地や通路の設置が予め求められることもある。上海市のインフラについては、電力、上下水道、ガス、熱供給、通信等が整備されている。建物の建設者が主体になってそれぞれのインフラ管理部門或いは会社に申請手続きを行う。なお、自然災害に対しては、地域の災害確率により危険レベルが定められている。上海市は統計上、地震や洪水等の災害が少ないためBCP(災害後の事業継続計画)に対する概念は希薄である。
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