2)介護関連ビジネスの現状 介護関連ビジネスへの外資参入に関する法規制としては、2013年7月から「養老機構設立許可弁法」が施行され、医療機構に先立ち外資独資での養老機構の設立が可能になった。中外合資または中外合作での養老機構設立は、以前から「外商投資産業指導目録」において奨励類として認められている。また医療機器の販売に関しては、輸入時に幾つかの規制があり、外国の医師免許保有者が中国で診断や治療行為を行う場合には、衛生部の認可取得が必要となっている。日系企業は近年、高齢化による拡大が目される中国の高齢者産業への進出を目指し、介護人材研修を中国で行っている。研修の特徴としては、日系企業が行う介護サービスの成熟した高い質や豊富な人材研修実績が強みである。一方で、研修内容が煩瑣であり、かつ中国人の文化や生活への適応が欠けるといった欠点も指摘されている。中国の介護関連ビジネスに見られる特徴として、「コミュニティ=社区」が担う役割が大きいことである。社区のサービスセンターは、子供が家を出て老人夫婦だけになった「空巣家庭」を中心とした高齢者の家庭を対象に訪問介護を提供しており、特に都市部では介護問題の解決に一定の役割を果たしている。また、富裕層が望むサービスを提供する民営施設も社区を単位として入居時自立型の有料老人ホームとして建築、販売される形式があり、その場合には各種のサービス施設も社区単位で設置、運営されるため、中国の介護関連ビジネスにおける社区の存在は無視できない。
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