中国の介護保険制度について
4)中国における要介護認定 第一章に記載の通り、中国においては介護保険制度の試行が始まった段階であり、政府が介護保険制度を策定するにあたっては、まずは市場需要を把握する必要がある。要介護認定の判定結果は、高齢者の介護需要を量化し、有限な養老資源の有効配分を判断するための根拠となり、介護サービス事業所にとっても、高齢者の介護サービスへの需要を正確に判断し、ニーズに合わせたサービス提供を行う際に有用である。さらに、判定結果は政府から介護サービス業者への補助金を審査する時の重要な証憑となる。従って、要介護認定は介護保険制度の成立及び介護業界発展の好循環に不可欠である。そのため、中国では、民政部により2013年に4段階の判定標準が作られた。但し、地方政府やサービス業者によってニーズが異なり、各自で独自開発の判定標準を使用しているため、全国の判定標準がまだ統一されていない状態である。日本の判定標準は中国民政部の判定標準の設計思想と異なり、高齢者の「能力」ではなく、高齢者が必要とされる「介護サービス量」を判定する。この設計思想の上、統計処理より作られた判定ロジックを加え、より高い精度で高齢者の介護需要を推計する。日本判定標準は17年に亘る実証実験に基づいて策定されているため、合理性と客観性が高く、中国にとって必要なものであると推測される。
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