インド統計大学（ISI：Indian Statistical Institute）により2006-07年に全インド医科大学（AIIMS（IRCH）：All India Institute Of Medical Science（Institute Rotary Cancer Hospital））にて行われた放射線治療に係る患者負担調査によれば、図表2-12に示す通りAIIMS（IRCH）における患者の平均負担額は、放射線治療前の負担が14,031ルピー（約28,000円）、放射線治療中（７週間）の負担が8,184ルピー（約16,000円、一週間あたり1,602ルピー、約3,200円）であった。また、患者の多くはIRCHでの治療の前に他の医療機関を受診しており、IRCH治療前の患者負担額平均は14,597ルピー（約29,000円）であった。調査対象患者の平均月収は1,749ルピー（約3,500円）とされており、患者負担額の合計が36,812ルピー（約74,000円）であったことを考えると、調査対象患者は、実に月収の20倍以上の費用を負担している。放射線治療には5週間～7週間を要し、遠方からの患者はその間医療機関の周辺に滞在する必要がある。この放射線治療中の滞在費・交通費による負担は放射線治療費の中で大きな割合を占めている。