リハビリテーション医学とは、機能障害から社会参加に至る過程すべてを網羅する医療体系であり、単に身体機能の障害を治療するにとどまらず、障害を持つ個人がいかに社会に適応し、社会に参加するかが重要な課題となる。一方、現在中国で行われているリハビリテーションは、中医と呼ばれる中国伝統治療を併用しながらの運動機能回復のための治療・訓練を意味し、歩行を含む日常生活動作や買い物などは治療範囲に入らないリハビリではないところに特徴がある。したがって、患者はベッドに横たわり治療者が手足に触れる、あるいは起立台に固定され起立する、物理療法器具を使用して患部を温める、筋に電気刺激を加えるなどがリハビリテーションであり、補装具を使用し歩行を行うなどはリハビリテーションではないという認識が一般的である。さらに、老人医療については、リハビリテーションはおろか、他疾患の治療においても高齢者は入院治療の対象にならないのが一般的である。したがって、このような中国のリハビリテーションや老人に対する考え方を十分に尊重しながら、日本のリハビリテーションを導入しなければならない。
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