過去の導入事例においては、以下の課題のため、成功事例として横展開できておらず、こうした課題を解決することが日本式PACSを広げる上でのポイントになると考え、次章以降で述べる実証事業を企画、推進していくこととした。 (1)画像診断装置のデジタル化 医療ITの導入、特にPACSを導入するにあたっては、接続するモダリティもデジタル化されていることが前提となる。フィリピンにおいては依然としてX線診断装置はフイルムを用いてアナログ運用されていることが多く、検査数も多いため、結果としてPACSの導入効果を上げられなかった、などの課題があった。 (2)PACSベンダーの導入支援 サザンフィリピンズメディカルセンターなど公立の大病院で比較的予算に余裕のある病院が導入したケースは数例あるが、いずれもPACSシステム構築経験の乏しいローカルベンダーがシステム設計や運用提案を行ったため、悪いケースでは患者の過去画像データ消失といった問題に直面するなど、非効率な運用を迫られている。各施設におけるワークフローを理解し、ユーザーへの教育の場を設けるなど、適切な運用ができるように導入前後のフォローを行うことが重要である。
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