1)施策の動向 本調査の背景にもあるように、インドは第12次五か年計画においてインド全体のヘルスケア環境の改善を目標としている。第11次五か年計画(11th Five Yearplan)の達成目標に含まれる乳児死亡率、妊産婦死亡率、衛生的な飲料水の提供、母子保健の改善、乳幼児栄養状態の改善等7つの目標は、第12次5カ年計画でも言及されている。これら同様の目標が引きつがれていることからも、基本的な保健衛生が世界水準と比較してもまだ途上段階であり、解決すべき課題であると政府が認識していることがうかがえる。世界保健機関(WHO)がスイス・ジュネーブで開催した第65回World Health Assemblyで、国民皆保険制度(Universal Health Coverage:UHC)が各国の公衆衛生向上に対して欠かせない取り組みであることが言及されたことを受けて、2010年10月にはUHCに特化した専門家グループを設立している。第12次五か年計画では、本事業の背景に記載した通り具体的な対象が設定されている。公衆衛生のみならず、生活習慣病起因の心臓血管疾患とがんについての対策の必要性が明記された。これらの流れより、インドにおいても基本的なヘルスケアの対策および近年、急激な増加傾向となっている生活習慣病対策の必要性が認識され始めたところである。
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